第4回「株式会社を設立するデメリット」

2015年4月17日

こんにちは(#^.^#)　伊藤総合会計事務所です！私どものブログは経営者の方に、お役に立てる情報を定期的にご案内いたしますので、ぜひご一読の上ご参考ください。今回は「株式会社設立のメリット・デメリット」についての記事を書きたいと思います.前回の続きとなります！

個人事業から株式会社化を検討するのは年間の事業所得が500万円から700万円に達した時だとお話しましたが、様々なメリットもあるものの、デメリットも検討しなければなりませんよね。ここからは株式会社を立ち上げ運営するとなるとどんなデメリットがあるのか見ていきましょう。

①ランニングコストがかかる
株式会社など法人を設立すると儲けより損失の方が大きい赤字であっても支払わなければならない税金があります。
法人も「人」として扱われるため住民税がかかり、それを法人住民税といいます。個人の場合は前年の儲けが無ければ住民税は0になることもありますが、法人の場合は住民税のうちの均等割りという部分の負担は避けられません。住民税は都道府県民税と市町村民税に分かれますが、合わせて約7万円ほどの納税が必要になります。（管轄の自治体によって多少変わります。）

②事務負担はかなり増す
個人事業では青色申告でもそれほどの経理処理の負担はありませんが、法人化すると会計は会社会計規則などより細かい規則や法令に則った処理が必要になりますので、知識がない方は専門のスタッフを雇ったり、税理士や会計事務所を探して提携する必要があります。
企業規模が大きくなれば社員を雇いますから、その負担も大きいものになります。従業員の雇用ではそれに伴う費用面の負担と事務負担が一気に増します。
各種保険の適用申請や役所とのやり取りには相当の時間を取られますし、保険などへの加入義務が生じて費用負担が相当大きなものになります。
また労働災害などへの配慮も必要で、場合によっては責任を問われることにもなりかねません。
従業員の労働環境にも気を配らなければならないので、個人でやっていた頃とは全く違った気苦労を経験することになります。

③他の法人と比べて設立費用が高い
これから株式会社の設立を検討する方はそれにかかる費用も気になります。
株式会社は法人の中で信用も権威も最高ランクですが、設立ではそれなりの費用がかかります。
専門家を利用せず、自分で設立に動く場合でも最低でも26万円～30万円は見積もっておいた方が良いです。
何が一番かかるかというと、法人の登記費用です。登記は法務局でする手続きで、これ抜きには法人化はできません。これだけで十数万円かかります。
他に定款の認証に公証役場に払う手数料なども数万円かかります。法人印を作成するのにも数万円です。
もし行政書士や司法書士に手続きを依頼する場合はその報酬もありますからかなりの負担になるでしょう。

④決算公告が必要になる
株式会社の場合決算を毎年公開しなければなりません。事業の透明化をはかり、投資や融資の際の安全性を高めるためのものですが、この方法によって費用や手間の面で負担になります。公告の方法として官報に乗せる方法がありますが、一回で約6万円かかります。官報以外でも日刊紙でも可能ですが、これはもっと高くなります。各新聞社によって価格が異なります。自社のホームページに記載する方法もありますが、この場合は要旨ではなく全ての決算内容を公開しなければなりません。
官報など紙面の場合は掲載に紙面を取りますから要旨でもＯＫですが、ホームページの場合は掲載場所に制限がありませんから全てを載せなければなりません。
会社の経営事情を大っぴらに公開するわけでうすからかなりの勇気がいります。

⑤役員任期の問題
株式会社では役員の任期に上限があります。そのため一定期間で役員交代の手続きを取らなければならず、役員変更の社内手続きや登記所での変更手続きが必要になります。
また登記の書き換え費用として法務局で1万円ほどかかり、専門家に依頼する場合はその報酬も必要です。